日本発達障害ネットワークについて

日本発達障害ネットワーク(JDDnet)は、発達障害関係の全国および地方の障害者団体や親の会、学会・研究会、職能団体などを含めた幅広いネットワークです。

我が国における発達障害を代表する全国組織として、従来制度の谷間に置かれ支援の対象となっていなかった、あるいは適切な支援を受けられなかった、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害等の発達障害のある人およびそのご家族の権利と利益の擁護者として、理解啓発・調査研究・政策提言等を行い、発達障害のある人の自立と社会参加の推進に向けて活動を行っています。

日本発達障害ネットワーク理事長になって

このたび、市川宏伸理事長後任として、日本発達障害ネットワーク(JDDnet)の理事長を務めさせていただくことになりました内山登紀夫です。
JDDnetは、2004年(平成16年)12月3日に発達障害者支援法が超党派の議員立法として成立したことを契機に生まれました。この法律の円滑な運営を見守るため、厚生労働省の検討会に関わった団体・個人が中心となって同日に準備会を立ち上げ、翌2005年(平成17年)12月3日には成蹊大学で設立フォーラムを開催して、正式に発足いたしました。以来、当事者団体、親の会、学会・研究会、職能団体などが幅広く結集する、我が国の発達障害を代表する全国組織として歩みを進めてまいりました。
現在、JDDnetには正会員22団体、エリア会員21団体、都道府県会員8団体、企業会員6団体の総勢57団体が加盟し、その会員数は正会員だけで約17万5千名、全体では18万名近くに達しています。
発達障害者支援法の成立から20年余りが経ち、「発達障害」という言葉は社会に広く知られるようになりました。しかし、その本質的な理解はいまだ十分とは言えません。近年、脳や神経のあり方の多様性を人間の自然な個性の一つとして尊重する「ニューロダイバーシティ(神経多様性)」の考え方が、国内外で広がっています。JDDnetはこの理念とともに、一人ひとりの個性を積極的に肯定し、価値あるものとして受けとめる「ニューロアファーマティブ(神経肯定的)」な姿勢を大切にしたいと考えています。同時に、発達障害を生物学的・心理的・社会的な要因が相互に関わり合うものとしてとらえる「バイオ・サイコ・ソーシャルモデル(生物・心理・社会モデル)」に立脚し、医学的な視点と社会的な支援の視点をバランスよく統合してまいります。
そして私たちが目指すのは、幼児期から学齢期、青年期、成人期、そして老年期まで、あらゆるライフステージにある発達障害のある方々が、その人らしい生活を送り、QOL(生活の質)とハッピネス(幸福)を実感できる社会です。
各会員団体が力を合わせ、当事者とご家族の立場に立った理解啓発・調査研究・政策提言に、より一層取り組んでまいります。皆様の変わらぬご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。

日本発達障害ネットワーク
理事長

内山 登紀夫

※「ニューロアファーマティブ(neuroaffirmative)」とは、発達の特性を「治すべき欠陥」ではなく人としての多様性の一つとして肯定的に受けとめ、本人の強みとアイデンティティを尊重しながら支える考え方です。特性を変えようとするのではなく、環境を整え、必要な支援を本人の望む形で届けることを重んじる、欧米で広がりつつある姿勢です。